ゲームレビュー 「真・女神転生 ストレンジジャーニー」

真・女神転生 STRANGE JOURNEY(ストレンジ・ジャーニー)真・女神転生 STRANGE JOURNEY(ストレンジ・ジャーニー)
(2009/10/08)
Nintendo DS

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 一応クリアしたので、レビューも書きます。
あらすじ程度ですが、ちょっとしたネタバレはありますので、
未プレイの方は注意してください。

とりあえず、メガテン好きの私としては、かなり満足できる出来でした。


・ストーリー 
 あまりストーリーに重きを置いていないRPGとはいえ、今回かなり微妙だと思いました。
特に粗が目立つ訳ではないのですが、言ってしまえば単調
大まかなストーリーは、
『地球を救う指名を帯びた主人公たちが、悪魔が棲む世界を渡り歩く』というもの。

各エリアに独自のイベントはあるにしても、大筋の展開はほとんど同じです。
(セクター突入→何らかの障害→どうにかする→ボスを倒し、次のセクターへ)
 「昨今のRPGはちょっとイベントが長すぎるんじゃないか?」と思う私のような人にとっては、
サクサクとストーリーが進むのは良い事ですが、
プレイヤーのやる気を出させるには、少々物足りないのも事実。

 これは「現在主流のRPG」と比べた場合だけではなく、
「メガテンシリーズ」として見た場合でも同様の評価です。 
今回シリーズとして残念だったのが、以下の点。
1.悪魔VS人の対立が明確になってしまっている。
2.部隊が南極(というか悪魔の世界)であり、現代や見知った地ではない。
3.ボスクラスの悪魔に馴染み深いやつがいない。


 については、
今までのメガテンシリーズでは、
「神や悪魔同士の争いに人が巻き込まれる」というパターンが多かった事に対して、
今回の悪魔側の目的は、最初から「人」。
敵でもあり味方にもなる悪魔に、
「人最悪。死ね」的な扱いを受けるのが正直辛いです。
後半ルートによっては、「人にもマシなやつがいるね」ぐらいの扱いにはなるものの、
今回の悪魔の思想は、ちょっと器が小さく感じられて嫌でした。
個人的には、もっと人の事なんて気にとめないくらいの存在の大きさが欲しい。

 は本当に個人的な理由なのですが、
そもそも私がメガテン始めたきっかけは、真Ⅰの「東京に悪魔が現れる」という、
ある種シュールな世界観を気に入ったからでした。
剣と魔法の西洋世界でもなく、今は昔の侍世界でもなく、
この現代や、そう遠くない地続きの未来に悪魔が溢れるという設定・世界観は新鮮で、
ちょっと見方を変えればギャグになってしまうような展開を真面目にやっている様はとても魅力的でした。
真Ⅰでの、『都庁の右と左で対立するヴィシュヌ・ラーヴァナ』や、
真Ⅲでの『国会議事堂にいるミトラ』等はその最たるものだと思います。
SJでは、そもそもの舞台がシュバルツバース、『人が立ち入らない悪魔の地』なので、
「何が起きても不思議ではない」空気になっちゃってます。
そのため、シチュエーションの面白みが薄かったのは残念でした。

は1,2とも関連した事なのですが、
『今までのシリーズでボスとして登場した悪魔』がイベントにあまり絡まないのが残念でした。
このゲームのボス敵も、そりゃあ神話的に存在の大きい神様だったりするのでしょうが、
ちょっと見知ったボス悪魔がいないので、何となく悪魔側が戦力を出し惜しみしてるように感じられます。
確かにもう唯一神は出せないとは思いますが、三天使くらい絡んでくれても…。

 そんな訳で、今までメガテンシリーズと比較しても、
ケレン味が足りないストーリーだと思いました。
まあ、あんまりストーリーには期待してなかったので、大して評価は落ちませんが。


・戦闘
 はっきり書きます。面白いです。
基本的にドラクエタイプのベーシックな戦闘ですが、基本的には真3にならっての高威力バトルになります。
全体的に難易度は高く、ザコ敵の攻撃でも、余程のレベル差でもついていないときっちり痛く、
運が悪ければ主人公に集中攻撃されて為す術も無くゲームオーバーになる可能性もあります。
バステや即死も絡められれば、よりその確率もあがるでしょう。
 しかし、このゲームのCPUは、それほど頭が良くないため、
前述の「主人公に攻撃が集中する」というのも、狙ってくる事はありません。
これはボス敵でも同様で、基本的に『狙って攻撃をする』という行動は取らないのか、
火炎無効の仲魔に向けてアギラオを撃ってくる事もありますし、
ラスボスですら、こちらに反射される属性の攻撃を繰り返します。

 また、厄介な攻撃には、ある程度対抗策があります。
例えば、特定の属性攻撃なら、主人公は防具・仲魔はスキルで耐性が付けられますし、
主人公には特定のバステ無効のアクセサリーもあります。
 ザコ・ボス共に、対策さえ分かっていれば、
創意工夫次第で勝つ事の出来るバランスになっています。
ちゃんとメガテンの肝である、悪魔合体を駆使し、
仲魔を強化する楽しみを味わえるバランスになっているのです。

 勘違いしないでほしいのは、このゲームは確かに難しいですが、
決して「理不尽」とか「バランスが悪い」とかといった言葉は当てはまりません。
プレイしてみて、ちゃんと開発者が狙ったバランス通りに作られているゲームだと思いました。
 アンノウン悪魔や各ボスの初見殺しっぷりは、人によっては理不尽と感じる事もあると思いますが、
今回、セーブポイントはかなり多く、よっぽど変な迷い方をしなければ、
普通にダンジョンを進んでいても、15分に一度はセーブできる仕様になっています。
 私は割合に運(及び実力)がある方なので、あまりゲームオーバーになる事もなかったのですが、
小マメにセーブ出来たので、非常に楽でしたし、
うっかり全滅した時も、精神的ダメージはあまりありませんでした。
 
・システム
 システム周りは、手堅く仕上げてきたという印象を受けます。
特殊合体を含めた悪魔合体にしても、
フォルマ集め、及びラボの開発にしても、
サブアプリやエネミーサーチ等にしても、
戦闘のデビルco-opにしても、
シリーズに慣れたプレイヤーにとっては取っ付きにくさはありません。
しかし、本気でプレイしようと思ったら、やっぱり色々試行錯誤しなければならないため、
『適当にやる分には簡単。拘ろうと思ったら奥深い』という、理想的なバランスになっていると思います。

 あと嬉しいのが、真Ⅲの超スピードオートが健在な事。
いや、真Ⅲ以上のハイスピードオートになってます。
1ターンが2秒で終わりますからね。


 敢えて不満を挙げるなら、イケニエも含めた三身合体剣合体が無いという点でしょうか。
三身は特殊合体、剣合体はフォルマによる開発に変化したのだと思いますが、
正直、今回このため相対的に仲魔の使い道が減っていて、
特にダーク悪魔が悲惨な事になっているのが残念。
 あとは、悪魔同士の特殊会話は残して欲しかったと思います。
まあ、後述する、EXミッションでの台詞が多いから良いですけど…。

・キャラクター
 メインメンバーはあまり魅力的では無いです。
ゴア隊長はかなり予想を越えた活躍を見せてくれましたが、
他は…正直、途中から読めたので、あんまりインパクトは有りませんでした。

 しかし、これがサブキャラになるとまあ面白い!!
流石モブに定評のあるアトラス(※)と言いますか、
ラボの万能もっこす博士アーヴィンを筆頭に、
科学者としての探究心に忠実な医療班のゾイ姐さん。
健気な女房役でありながら、どこか呑気なチェンに、
冷静沈着なタカ派軍人のブレア
そして薄幸の君。印象薄くてロリコンで寒くて弱い、みんな大好きアンソニー
よくよく話してみると、どいつもこいつも顔グラも無いくせにやたら個性的です。
むしろ顔グラ無い分、印象に残るのかもしれませんね。何気にみんな良い奴ですし。
―個人的に私が思っているだけですが、アトラスはNPCも濃い奴多いですよね。
   ソウルハッカーズの八角女将とか、ペルソナ4のシャッキリしたおじさん。
   真Ⅲのハチ公前のデカラビア等は真っ先に挙げられるところ)


 また、今回EXミッションでの悪魔の会話量はかなり多いです。
特に神話・伝承に沿ったモノは、シリーズ歴代で一番かと思われる程出てきます。
クー・フーリンと師匠スカアハの話があるのもレアですし、
最早ロリ枠代表のモー・ショボーもバッチリ専用の台詞があります。
クドラクとクルースニクのライバル設定が活かされたのも、今回が初だと思いますし、
マニアックな所では、妖樹スグーグスローさんのエピソードなんか結構しんみりさせられたり…。

 悪魔絡みで残念なのは、会話タイプが見た目に合ってないのがいる位ですかね。
終盤、ケツアルカトルを呼び出したら爺口調だったときにはズッコけました。
あとは、セクターボスなのに書き下ろされていない奴がいる事かなあ…。
凄い存在だと言われてたのに、使いまわしなんですよ龍王のアイツ
「あなたデビルサマナーだと普通にザコ敵として出てましたよねぇー!!」みたいな。


・バランス
 細かいバランス調整などの話をちょっと。

個人的に嬉しかったのは、バステの成功率が高い事
昨今あまり使えなくなって久しい状態異常攻撃。
真Ⅲでは弱点が突けるようになり、それなりのメリットはありましたが、
それでも弱点持ち以外の奴には成功率が低く、「バステ使うなら殴れ!」的な感じになる事もしばしばでした。
しかし、今回はこのバステ攻撃の成功率はかなり高く、その上耐性持ちも少ないため、
実践的なバステ攻撃(睡眠・魅了・麻痺あたり)を持っている仲魔は、それだけで活躍できるくらいのバランスになっています。
(体感的には、使い手と相手が同じくらいのレベルなら、7割くらいの確率でかかると思います。)
個人的に、こういう搦め手の渋いスキルが活躍するバランスが大好きなのです。
補助系が強いのはいつものメガテンですが、こういうスキルが普通に強いと、
その分キャラの役割も増え、戦略の幅も広がります。

 『強い』とは書きましたが、物理・魔法攻撃が駄目かというとそんな事はなく、
MP消費となり、低リスクで高威力の物理スキルはやっぱり強いし、
真Ⅲと比べてクリティカルの利点が減った分、弱点の突いてコプ起こせる魔法攻撃はやっぱり便利。
カジャ・ンダの強力さも相変わらずで、弱くなったのは明らかに回復量の減った回復系位ですが、
これはいくら使い勝手が悪かろうとも、使わずには進められないスキル。

 今回1パーティーは主人公入れて4人。仲魔のスキル所持数は真Ⅲから更に減って6つ
レベルアップによる習得や交渉系のスキルが無いため、序盤はそれほど少なく感じませんが、
後半になってくると、補助に回復に攻撃にと、仲魔一体に、複数の役割を持たせなくてはならないため、
属性も含めて、組み合わせを考えるのには本当に頭を使います。
そして、それが楽しいバランスになっているのです。


 また、新システムの『デビルCO-OP』も、中々面白いバランスに仕上がっていると思います。
 弱点を突いても『追撃をしてくれるのは、同属性の仲魔のみ』という制約があるため、
パーティー全員を同じ属性に…と思っても、同属性でバランス良くパーティーを作るのは難しい。
と、ここでも良い感じでプレイヤーの頭を悩ます要素になります。

 威力的にも、コプのダメージはかなり高く、特にボス戦では貴重なダメージ源になりますが、
『使わなくては勝てない』という程ではなく、寧ろ属性に拘らない方が楽に勝てるケースもあります。
そんな感じでこれも非常にバランスの良いシステムですね。


 マップ移動なども演出控えめで、一回のインパクトより繰り返しプレイの快適さを重視した作りになっています。
この辺のストレスを感じさせない作りは見事。
唯一気になったのは、ダークゾーンを視認出来るアプリを持っている状態でダークゾーンに入ると、
毎回アプリ起動の演出が入ってしまう事。
ダークゾーンが飛び飛びに設置してあるデルファイナスでは、特に気になります。


 その他の点も、バランスはおおむね良好なのですが、
個人的にはダーク悪魔の冷遇っぷりはちょっとさびしいと思いました。
 前述の通り、今回はレベルアップのスキル習得が無いため、
「こいつレベル上がればこんなの覚えるのかよ!」みたいな驚きも無いですし、
大抵が弱点持ち(しかも二つ以上)のため、普通に使いにくいです
その上、合体材料にしようにも、出来る悪魔もダークで、
合体結果が既にいる仲魔と被りまくって作れない事もザラ。
そして終盤になっても、しょっちゅう合体結果に顔を出しまくる妖虫アルケニーと悪霊レギオン
特殊合体でボス悪魔の魔王を作り出せるとはいえ、
その魔王様ですら使えなくなった時の処理に困るというおまけつき。
 ドッペルゲンガーとかキングーとか一時的に頑張る奴もいるにはいますが…。

 また、ダークに限らず、上位ライト悪魔でも相性が微妙な奴も多く、
(レベル70にもなって、破魔しか無効が無い上に耐性も無く、呪殺に弱いあの獣とか)
他の悪魔と比べて、スキル以前に大きな差が付けられている点は残念でした。
 まああまり大きな問題点ではありませんが…。



<総評>
 「メガテンシリーズ」が好きな方には、文句なくオススメです。
ストーリーにカタルシスはありませんが、戦闘の面白さでチャラになります。
 また、メガテンをやった事の無い人でも、戦略を考えてプレイをするのが好きな人にもオススメ。
戦略の選択肢が広いので、同じルートでも人によってプレイ内容が大きく違ってきますし、
こだわりを持ってプレイすれば、より一層楽しめると思います。
特に他作品と繋がりも無いし、各種システムも分かりやすいので、
メガテン入門編としても楽しめると思います。

 逆に派手さや若さ、十代少年少女のジュブナイルな要素はあまりありませんので、
そういったモノを求めてのプレイは無謀です。


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2009-11-20 18:17 : ゲームレビュー : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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Author:ノノック
文章の苦手な文系。
ゆとり直前世代のゆるゲーマー。
ほのぼの漫画が好き。
2016年2月ブログ名変更。

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