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『よいこの君主論』読了

よいこの君主論 (ちくま文庫)よいこの君主論 (ちくま文庫)
(2009/05/11)
架神 恭介辰巳 一世

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個人的にリスペクトしている架神恭介さんと辰巳一世さんのコンビが送る、
マキャベリの『君主論』を小学生にも分かりやすく解説した怪作。

『よいこの君主論』はマキャベリの名著『君主論』を物語形式で解説した新感覚の名著入門書です。凶悪な小学生たちの権力闘争を通じて『君主論』を見ていくことで、まともに取り組むと難解な古典がびっくりするほど楽しく簡単に学べます。社会の授業にも出てくる有名な『君主論』をお手軽に味わってみませんか? 名著は難しいから名著なのではなく、面白いからこそ名著なのです。
 という、公式サイトの一文は、決して誇張ではありません。
実際に読んでいて楽しいし、けっこうちゃんとマキャベリを理解できる良作です。

 とはいえ、「小学生にも分かる君主論」というコンセプトだけでどこかブッ飛んでいるのも事実。
導入の、
たろうくん「うーん、困ったなあ」
はなこちゃん「どうしたの?たろうくん」
たろうくん「ぼく、こないだ4月にクラス替えがあったんだけど、あれからもう二ヶ月も経つのに、
 いまだにクラスで君主として覇を唱えることができないんだ」

というやりとりだけで、説明不要の面白さがあります。
かがみさんが言う所の「ギャップギャグ」
マタドールが戦車を持ち出すような狂った組み合わせが、あなたの脳と心を痺れさせます。


 そして本編。5年3組のなかまたちが登場します。
マキャベリの力を借りて、クラス統一を成し遂げようとする主人公、ひろしくんを始めとして、
ステータスを見ただけで凄味の分かる、女王りょうこちゃん。
「こんな小学生いねーよ」というツッコミすら虚しく響く、りょうくんに、
分かりやすい元ネタをもったすぐるくんなど、個性豊かなクラスの面々が、謀略の限りを尽くし、
クラスを統一せんという野望のために動きます。

個人的に最も驚愕した策謀は、遠足のまあやちゃんでしょうか。
おやつですら、その極悪非道の策の一手として使い、
遠足という楽しい思い出で、他人に一生もののトラウマを残すその謀略はあまりに恐ろしい。
後半、特に活躍も無く、ほぼ自爆でリタイアした点が残念でした。

あとは、やはりひろしくんの有事の際のトラブル回避能力の高さが光ります。
繰り返されるりょうこちゃんの策謀を、知を持って回避し、
時に起こる、自分のグループ内でのいざこざを、恨みを買わない立ち回りで収める。
そのいくつかには、現代社会で使えるようなものもあります。
『直接自分が叱るのではなく、第三者の裁判機関に処罰を委ねる』とか。


 で、そんな感じのエキセントリックかつ実用的な本なのですが、
作中の彼ら5年3組の行動が全てぶっ飛んでいるかと言えばそんな事はなく、
自分の小学校生活を思い出してノスタルジーに浸るようなそんな場面がチラホラあるのです。
 例えば、ドッチボール大会や持久走で評価が上下したり、
給食のプリンにテンションが上がり、そして不慮の事故で失ったプリンに深く絶望したり、
『小学校のクラスにおいての最高裁判機関』こと「終わりの会」における吊し上げの恐怖であったりと、
それらの記憶がある人は多いでしょう。
私の小学校ではこの本で書かれたような権力闘争はありませんでしたが(ひょっとしたら私が気付いてなかっただけかもしれませんが)
こういった小学校の思い出を、この本では上手くマキャベリに組み合わせて使っています。
そういった意味でも、面白い本だと思いました。


・マキャベリの『君主論』について学びたい。
・小学生が策謀を巡らす話が読みたい。
・小学校のあまり明るくない思い出に浸りたい。

上記のどれかに当てはまる人は、迷わず手にとってみるべき一冊です。

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2009-12-24 17:21 : : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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Author:ノノック
文章の苦手な文系。
ゆとり直前世代のゆるゲーマー。
ほのぼの漫画が好き。
2016年2月ブログ名変更。

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