さよならハドソン…に便乗して、天外魔境2の名無しの十八番について語ろう。


さて、3月1日でハドソンが解散となるみたいです。
PC原人・ボンバーマン・桃太郎伝説・そして天外魔境と、
PCエンジン全盛の頃は本当にお世話になった会社なので、
吸収合併とはいえ、これがなくなってしまうというのは本当に寂しいところです。

さて、そんなハドソンの『天外魔境Ⅱ』については、
当ブログでも何かにつけて散々書きました。
もう本当に当時としては色々な意味ですご過ぎるゲームだったのですが、
各敵キャラの“濃さ”については今でも語り草です。
目立ち好きで男女両方手を出しちゃう菊五郎に、
何も知らない村人に人を食べさせるという非道すぎる悪行を行わせた地獄釜の肉助
妻を殺された恨みから主人公たちを付け狙い…その結果「愛してるよ!」とか言ってくるまで精神を病んだデューク・ペペ
この辺はもう鉄板ですが、
個人的に好きな敵キャラはそれらではなく、
別に聖剣を守ってる大将でもない、名無しの十八番だったりします。
もう全RPGの敵キャラの中で一番好きかもしれません。
短い出番ですが、彼にはそれぐらいの魅力があるので、
以下に彼の出番と彼についての考察を書いていこうと思います。


・名無しの十八番と戦うまで。
名無しの十八番の登場は、物語も中盤。
4人目の仲間(この時点でカブキが離脱していますが)の絹が仲間になる直前になります。

同じ火の勇者である卍丸に出会った絹は、
卍丸たちに、「比叡山の和尚に預けた鎖を持ってきてほしい」と頼みますが、
それを取りに行った比叡山で、
絹の存在が根の一族に知られ、兵を差し向けられたことを知らされます。
(絹は予知能力があったためそれを知っていましたが、卍丸たちの身を案じ敢えて自分から遠ざけたのです。)
卍丸たちは、当然絹の住む大江山に救出に向かい、
(恐らく)絹襲撃部隊の隊長である、名無しの十八番と戦うことになります。

この、名無しの十八番。
見た目は青い毛の獣人といった出で立ちで、
今までの敵ボスは個性的…言ってしまえば色物が多かったのに比べて、
なかなか正統派の格好良い姿をしています。
ちなみに相対した時に、
「待ちかねたぞ卍丸!
この中の女をやる前に、お前の命を頂こうか!」

というセリフをボイス付きで吐きます。
何故わざわざ殺せる状況だった絹を後回しにしたのかは分かりません。
火の一族を甘く見ていたのか、無抵抗の女を殺すを躊躇ったのか…。

・名無しの十八番との戦い。
さて、いざ戦闘となってまず驚くのが、その体力でしょう。
名無しの十八番のHP4000という値はこの時点ではかなり多く、
直前の大ボスであるはまぐり姫の3倍ほどです。
その分防御力は控え目なのですが、初見はまずビビります。
攻撃の方は、序盤はほとんど通常攻撃しかしてきません。
たまに自身の攻撃力を上げてきますが、あまり頻度は多くなく、効果もそれほど長くは持ちません。
全体攻撃はしてこないので、絹が仲間になるまで働かないシロも的として役には立ってくれます。
とはいえ、通常攻撃一本でくる分、
こちらの体制が悪くなった時に立て直しにくいというのもまた事実。
仲間の極楽は、術を(この時点では)使えないため、
卍丸一人で補助回復に奔走する羽目になり、
その分技力の消耗も激しいので、非常に厳しい戦いとなります。

そして名無しの十八番の残り体力が1000近くになってからが本当の勝負。
こうなると、奴は防御を捨てて、捨て身の一撃を仕掛けてきます。
これは自身の防御力を下げつつ、その代わりにとんでもない威力の一撃を見舞う攻撃で、
卍丸の段(レベル)や防具がイマイチだと、冗談でなく一撃で死ぬほどのダメージが来ます
しかもこれを連発してくるのだから本当に性質が悪く、
なんとか初撃を耐えても回復が間に合わずやられてしまう事も十分に有り得ます。
技力に余裕があれば「赤影」の術で的を増やしつつフォローしてもらい、
そうでなければ無抵抗の犬に捨て身の攻撃をしてくれることを祈りながらさっさと倒しましょう。


・名無しの十八番を倒してから。
名無しの十八番をなんとか倒すと、
彼はまさかの命乞いをしてきます。
「たっ助けてくれ!
俺には子供がいるんだ!命だけはとらねえでくれよ!」

さっきまであれほどの戦いぶりだったのに、
負けると態度を一転。まさかのヘタレ化です。

…しかし絹を仲間すると、彼は再び登場。
すわ再戦か!と思うと、
「待てよ卍丸!確かにお前は強え!今の俺じゃ敵わねえよ!
だがな!俺は子供のために命よりも手柄を取る事に、さっき決めたのさ!
大江山もお前らも、もうおしまいさ!一緒に地獄へ落ちようゼ!」

と、言い残し、自爆します
その衝撃で崩れ出す大江山。
卍丸たちはなんとか脱出するものの、絹が住んでいた大江山は完全に崩壊してしまいます。

ちなみに、
名無しの十八番の出番はこれで終わりですが、
後に出雲の根の国で、彼の親(モブキャラ)に会う事ができます。
その親曰く「儂の十八番目の子供だが、どうせ長生きできんだろうと名を付けなかった。」とのこと。
元より期待された子では無かったのです。
同時に、この親を含めた根の一族の非戦闘員は、
「役立たずと判断され、暗黒ラン成長のための“養分”として、ここ出雲に住まわされている」という話も聞かされます。
根の一族は、火の一族に対抗するため、それだけ形振り構わぬ状況にあるのです。
名無しの十八番の「子供のために自分の命を捨てて手柄を求める」という態度も、
この現状を見ると少しは納得できると思います。
(とはいえ、名無しの十八番の親は根の一族最強の戦士である“剛天明王”の親でもあるのですが、
そんな「一族最強の戦士を産んだ親」が養分扱いしかされていない所を見るに、
彼の功績で子供の扱いが良くなるとは思えませんが…。)

・まとめ

さて、
この名無しの十八番。
彼の振る舞いや親の発言を考えると、
どうにも「叩き上げの戦士」という印象が強く残ります。
他の大将のように、三博士が卍丸たちを倒すために送り込んだ訳では無いですし、
はまぐり姫の幻術のような特殊な力もありません。
「名前を付けてもらえなかった」というエピソードもあるため、
根の一族の中で特に一目置かれていた存在ではないと思われます。
しかし、『(女とはいえ)火の一族の末裔を殺しに行く』という任務は軽い役目とは決して思えないので、
それを任されるくらいには実力を認められていたのでしょう。
(実際、戦うとすごく強いですしね。)

で、この叩き上げがどのようにして実績を重ねてきたか。
一軍を任されるまでになった彼の活躍の、その原動力は「手柄のため」。
翻っては、彼自身が最期に語った通り、「息子のため」なのでしょうね。
そのために自らの命をも惜しまず、いざともなれば捨て身の一撃を繰り返します。
そんな彼が力及ばず敗れた時、
その口から出たのは、まさかの「命乞い」です。
すぐに考えを改めるあたり、
これは計算ではなく、咄嗟に口をついた本心なんでしょうね…。
考えてみれば、
このまま卍丸に見逃してもらっても、今更彼が家族の元へ帰れる訳は無いのです。
根の一族には敗者にかける情けはありません。
ストーリー的には後の話ですが、
妻を戦いの中で失い、復讐の機を窺うために城を捨てて逃げたデューク・ペペは、
それを反逆と捉えられ、仲間に追っ手をかけられます。
このままでは彼を待っている運命もそれと同じもので、下手をすれば子供も共に殺されるかもしれません。
そう考えて名無しの十八番が取った行動が、自爆だったのではないでしょうか。


…とまあ、彼の短い出番からはこんな事が想像できるのです。
彼は一昔前のRPGのボス敵で、
しかも物語の中で重要な役割を担っている訳でもなんでもないのですが、
「子供がいるから助けてくれ」と命乞いをしてきて、しかもそれが作戦でも何でもない(「バカめ!引っ掛かりやがったな!」とかいうゲスキャラでない)というのは今見てもなかなか斬新だと思います。
その強さと、「防御を捨てての攻撃」という行動。
見え隠れする実に人間臭い行動原理。
「すぐに死ぬだろうから名付けなかった」と言われる悲しい設定。
短い出番ながら、これだけのインパクトを残したキャラは他にいませんでした。
むしろ詳細にキャラ設定が語られない分、名無しの十八番というキャラに深いものを感じてしまうのです。
これからも彼は私の思い出に残り続けるでしょう。
ホント何度捨て身の一撃でやられたことか…。

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2012-01-19 22:19 : レトロゲーム : コメント : 2 : トラックバック : 0 :
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懐かしい・・・何度もやられました(笑)
強烈に印象深く残ってます。むしろ剛天明王よりも。
2014-09-28 18:34 : 名無しの方 URL : 編集
Re: タイトルなし
>>名無しの方さん
絹加入前の最後の壁ですからね…。
卍丸の技力に余裕がある訳じゃないんで、長期戦なのに回復も補助も節約しなくちゃならないのが本当にキツい。
それだけ強いから印象深いキャラクターになってるんでしょうね。
2014-09-30 00:00 : ノノック URL : 編集
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Author:ノノック
文章の苦手な文系。
ゆとり直前世代のゆるゲーマー。
ほのぼの漫画が好き。
2016年2月ブログ名変更。

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