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横光先生の超能力バトル漫画といえば!『地球ナンバーV-7』ですよ。

地球ナンバーV-7 (講談社漫画文庫―横山光輝SF傑作選)地球ナンバーV-7 (講談社漫画文庫―横山光輝SF傑作選)
(2002/12)
横山 光輝

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当ブログではたびたび取り上げる横山光輝先生。
数多くの漫画を描いてきた巨匠だけに、代表作も多岐にわたります。
『三国志』などの歴史ものや、
『ジャイアントロボ』『鉄人28号』などの巨大ロボットもの。
『伊賀の影丸』などの忍者対決ものもそうです。
更には『魔法使いサリー』などの少女向け漫画なんかも描いていたりと、ホントに色々描かれてますね。
さてそんな横光先生作品といえば、
『バビル2世』などの超能力バトルものも忘れてはならないでしょう。
驚異的な身体能力に加えて、衝撃波・電撃・念動力に透視能力等々…。
これらの超能力描写が日本の漫画界に与えた影響というのは決して小さくないでしょう。
さて、先日読んだこの『地球ナンバーV-7』も、そんな横光超能力バトル漫画の一つです。
というか、ぶっちゃけ「3つのしもべが出てこないバビル2世」みたいな作品です。
要は『その名は101』みたいな作品ということですね。
その名は101 (1) (秋田文庫)その名は101 (1) (秋田文庫)
(2002/11)
横山 光輝

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※以降に『地球ナンバーV-7』及び『その名は101』のネタバレを含みます。


・あらすじ
舞台は遥か未来。
火星は地球人たちの移住先となっていたが、
その火星に暮らす人々の中に、いつしか超能力者が生まれ始める。
優れた超能力者を抱えた火星政府は、いつしか地球政府までも支配する事を望み、
地球に超能力者を特殊工作員として送り込ませる。
主人公ディック・牧は自身が超能力者であることを隠し生活していたが、
あるときそれが政府に知られ、火星からの特殊工作員との戦いに巻き込まれる。
同じく超能力者である僚友ブレランドと共に、敵超能力者と激しい戦いを繰り広げるディックが、
その戦いの裏では、黒幕による超能力者排斥の動きが進んでおり、ついに超能力者狩りが始まってしまう。
ディックは超能力者たちを集め、地球を離れて新天地を目指す決断をする。


実際これ、能力バトル漫画としてもかなり出来の良い作品だと思いました。
敵も味方も能力の使い方がなかなか上手く、
『幻覚を見せる』という一見戦闘能力の低そうな能力者が、
幻の道路を見せてディックを崖に誘導させて重症を負わせたり、
『鉄より硬い硬質ガラスの仕切り』という盤石と思われた守りが、
『催眠術で仕切りを開けるスイッチを押させる』という策で、僅か一ページで破られたりする辺りは流石横山先生。
超能力者と正面から戦っては勝てない一般人でも、
『敵の超能力が届かない所から催眠ガスを掛ける』という策で超能力者を捕えるのに成功しているので、
後半の「超能力者排斥」の流れもなかなか危機感がありました。
また、ディックの友人ブレランドが、
丸っこい見た目で全く強そうに見えないのにすごく強く、
いかにも途中で死にそうなポジションなのに最後まで生き延びたあたり、意外性があってとても良かったです。
「まてっディック! おまえその体で戦うつもりか?
おれがやるよおまえはここで待ってな ハハハ心配しなくったっていい おれの超能力もばかにはできんぜ」

↑これとか完全に死亡フラグとしか思えない台詞(この直前にディックを助ける活躍を見せているから余計に)なのに、
このあと、ちゃんと敵超能力者を倒してしまんだから恐れ入ります。

難点は、
結局最後までディックとブレランドの超能力についての詳しい説明が無いため、
いまいち彼らが「何が出来ないのか」が分からず、ピンチの場面でも危機感が持てない事でしょうか。
またラストの「迫害の始まった地球を離れ新天地を目指す」という展開も、
「行先決まってないのにロケットの燃料持つの?」という疑問がぬぐえず、どうにもいきあたりばったりなものを感じました。

さて、この『地球ナンバーVー7』。
『バビル2世』及び続編的作品の『その名は101』と共通するのは、
単に「超能力バトルもの」というくくりだけではありません。
まず、主人公が最初からとんでもなく強い事が挙げられるでしょう。
この漫画の超能力者は、「一人につき一つの能力」が原則なのですが、
主人公ディックとブレランドは複数の超能力を持ち、
しかもその一つ一つが並の超能力者を圧倒するほどの力です。
最初に敵対する特殊工作員たちも、
並の人間なら束になっても敵わないレベルの能力は持っていますが、
ディックはそんな工作員たちと自分の能力差を比較し、
相手を「まだ手も足も生えていないおたまじゃくし程度の能力」とまで言いのけ、
実際にそれほどの実力差を見せつけます。
その強大すぎる力を持つ主人公に対し、
むしろ敵側が策を労してなんとか排除しようとする…というこの構図は、
『バビル2世』でヨミ様が何度となく頑張っていたアレですよ。

そして何より、
「常人には無い能力を持った故の悲劇」というのは、
これにも『その名は101』にも共通します。
主人公ディックは強いだけではなく人格もかなり立派で、
己の超能力を使って何かを成そうという野心はなく、
超能力者である事を隠して慎ましく暮らしていたのですが、
本人との意思は無視され、敵超能力者との死闘に巻き込まれてしまいます。
またディックは「超能力者がその力を見せつければ、いずれ人は超能力者排斥の動きを起こす」という可能性にもいち早く気づき、
工作員にも超能力者同士で戦う事の危険性を説きますが、
それが実を結ぶ事は無く、皮肉な事に彼自身の戦いが超能力者排斥を進める格好の材料にされてしまいます。
これは主人公ディックだけの話ではなく、
序盤戦う特殊工作員たちや中盤以降主な敵となるカナーリの牢獄の特殊犯罪者は、
その立場を利用され、権力者に駒のように使われて、その多くは戦いの中で命を散らしていきます。
彼らとディックの間には特に何の因縁も無いのですが、
権力者の都合で互いに利用され、
その果てには「超能力者は危険」という差別に追われることになる…と、
作中の超能力者たちは、その能力に対し、あまりに悲惨な立場です。
ディックがポツリとつぶやく、
「でもこの戦いに勝ったからってあとになにがのこるんだ?ぼくにのこるものはいまわしい殺人の思い出だけだ」という台詞は、あまりに重いものです。
『その名は101』でも、
主人公であるバビル2世は、
その超能力を利用しようとする組織に能力をコピーされ、
自らの血から作られた敵超能力者を始末する戦いへと赴き、
その戦いの中で、親しくなった女性を何人も亡くしています。(インディアンの少女・銀鈴・アパートの隣に住んでる少女と、ヒロインになれそうなキャラが出てきては死んでいくのがホントに恐ろしい漫画です。)
この作品では、
3つのしもべやバベルの塔のコンピューター、
国家保安局といった『バビル2世』の時の味方はほとんど登場せず、
バビル2世は無数の敵に対して、ひたすら孤独に戦っていく事を強いられます。
そしてこの漫画、主人公が生死不明で行方不明のまま終わるというすごい終わり方をします。
「彼が人々の前に姿を現す事は2度と無かった」というモノローグが入りますが、
この終わりも、
「バビル2世は自分の存在を悪用されるのを恐れ、人前に姿を現さなくなった」という風にも解釈できるんですよね。
どちらも、強大な力を持っていながら、
その人生は栄光とは遠く、むしろ影に生きる道を選ぶ事となるあたりは共通しています。
この辺りの悲壮さは、『伊賀の影丸』や『闇の土鬼』などの忍者(暗殺者)漫画でも感じる事があるので、
これは横山光輝先生のテーマなのかもしれませんね。

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2012-03-08 00:44 : レトロ漫画 : コメント : 5 : トラックバック : 0 :
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No title
この作品は読んだことがなかったのですが
「その名は101」とかは大好きでしたね
それと同じ系統のテーマの作品だったら
いつか機会があったら読んでみたいと思いました

ちなみに横山光輝先生の作品では
ちょっと毛色が違うけど「マーズ」とか好きでしたね

ガイアvs6神体というロボットバトルのフリをして
実はここにも「常人には無い能力を持った故の悲劇」が
描かれていたりします

最後、命をかけて救った人類から
石を投げられ本来の記憶を取り戻すという
胸にチクリとくるような最後でしたが
人間とはどんな生き物なのかが少年時代の
心に突き刺さった記憶があります
2012-03-11 10:38 : 黒ぬこ URL : 編集
Re: No title
>>黒ぬこさん
「マーズ」はコミックスを所持してはいないのですが、
読んだことはありますね。
あれもラストが衝撃的すぎて…。
あれ、マーズ視点で見ると、そりゃあ人間に絶望しても仕方ないと思いますが、
あの民間人の立場にしてみたら、
訳分からない連中の殺し合いに巻き込まれて、生活が滅茶苦茶になってるのですから、
石を投げたくなる気持ちも分かるんですよね。
2012-03-11 21:58 : ノノック URL : 編集
どうも始めましてノノックさん
>その名は101
は最終的にヨミが出てきたのが何だか引っ掛かってしまったな……と、未だに
(初めて読んだのがバビル二世を全巻読んだ後だったので、特にそんな気持ちが)。
何だったら最後まで"ヨミのいなくなった後のバビル二世"で統一して貰いたかったですね。

まぁ執筆当時の横山先生の意図を今更どうこう言うわけでは無いのですけど、それでも猶。
2013-07-19 07:33 : 流浪牙 URL : 編集
Re: どうも始めましてノノックさん
>>流浪牙さん
はじめまして。
確かに101はヨミ出さずに終わっても良かった気がします。
最後にポロっと出てきて、回復する前に101に撃たれて終わりではちょっとあっけない気もします。
とはいえ、やはりバビル2世の宿敵はヨミ以外に居ないとも思えて…難しいですね。
(CIAの超能力者がいくら能力コピーしてもバビル2世に勝てる気がしませんもの。)
2013-07-19 23:38 : ノノック URL : 編集
レスありがとうございます。
そうは言いますけどやはり、101はそれまでヨミが出て来なくても
CIAからの逃亡戦&超能力者への追撃戦で十分に面白かったのでしてね……
それで通してたとしても作品の品質は劣化しなかったと信頼出来るだけに実に残念でならない。

あと地球ナンバーV7につきましては、あれだけの話数であれほどの内容の話が
描けるというのは実に見事なものですね、と。

>常人には無い能力を持った故の悲劇
こんな力はな 昔なら霊媒者とか霊感者として尊敬を集めたろうが
文明の世の中では かえってめいわくがられるとか 悪用されるだけなんだよ

というのは101内の発言でしたが
2013-07-22 22:42 : 流浪牙 URL : 編集
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Author:ノノック
文章の苦手な文系。
ゆとり直前世代のゆるゲーマー。
ほのぼの漫画が好き。
2016年2月ブログ名変更。

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