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SF(すこし、ふしぎ)な短編集―『足摺り水族館』。

足摺り水族館足摺り水族館
(2013/08/30)
panpanya

商品詳細を見る

先日中野で購入したこの一冊。
すこしふしぎなお話の沢山入った漫画です。、
間違いなく面白い一冊なんですが、これをどう紹介すればいいのか、というのは迷う所。
とりあえず興味を持たれた方は、公式紹介をご覧ください。


この短編集、読んでいて最初に思い浮かんだのが北野勇作先生の小説みたいだなという事でした。
どこか懐かしさを感じさせる汚れのある街並みや、
登場人物の軽い感じのやりとりもそうですが、
『明らかにおかしい事に作中でツッコミや細かい説明がされず、“そういうもの”として許容されていく世界観』は、北野小説のそれと同じ面白さだと思いました。
例えば、

人面町四丁目 (角川ホラー文庫)人面町四丁目 (角川ホラー文庫)
(2013/07/17)
北野 勇作

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『人面町四丁目』では、主人公が喫茶店の二階で原稿を書いていて、外の騒ぎ声を聞き目を移すと、
そこでは魚屋のバイトが“巨大なウナギのようなもの”に巻きつかれているという騒動が繰り広げられていました。
商店街はちょっとした騒ぎにはなりますが、
これが作中で大きな事件になることもなく、主人公も、『日常の珍事』くらいの認識しかせず、
この一件はこれ以降作中で出てくる事はありません。
こういう明らかな異常がサラリと書かれてしまうのって、すごい好きな表現なんですよね。
私達が知っている常識とはまるで違うものを、登場人物がごく普通に受け入れているというのが、
読んでいてそこが「異世界」なのだと強く意識させられて、読んでいてとても惹きつけられます。

この「足摺り水族館」に収録されている『完全商店街』でも、
主人公の女の子が母に頼まれて商店街におつかいに行きますが、
メモに書かれていたのは、見たことも無い不思議な言葉。
読めねえ…。
とりあえず「迷ったらここだ」と百貨店に行きますが、店長に問い合わせてもこの商品が何なのか分かりません。
店長「ロシアの文字に似てるようにも見えますね…ロシアに行ってみてはいかがでしょう」
少女「なるほどそうするよ」

と、とりあえずロシアに向かう事にした少女は、
エリアガイドを見て「あっちだ」とそのまま歩いてロシアに。
あっちにいけばロシアです。
「カムチャッカ亭」「カラフトマス」「イルクーツフ」「ボルシチはじめました」など、
いかにもロシアらしい言葉の並んだロシアの街並み。
そこで再びおつかい品を探す…という、明らかに不条理な展開なんですが、
物語はその「不思議さ」を強調せず、あくまで淡々と物語は進んでいきます。
まるで夢の中のようなふわふわした奇妙な感覚が溢れていて、
その不思議さが読んでいてとても心惹かれるのです。

奇妙といえば、しっかり描きこまれた背景と、非常にラフに描かれた人物。
見事に描きこまれた背景。
一見ちぐはぐで奇妙なんですが、あまりにもギャップがあるため、主人公も背景も共に目立っているんですよね。
作中で描かれていない、そこの小路を一本入った先に何があるのかと、
思わずそんな事を考えてしまう程に描きこまれた背景が素晴らしい。

またそのラフに描かれた主人公(大抵女の子)の外見と、
非常に大人びた口調といった点も、
これまたギャップがあって読んでいてとても面白く、妙に癖になります。
「ありうるだろうか」この口調が良い。
この絵柄での「ああなんということだ」「すでに現場到着とは流石である」といった妙に大仰な台詞回しがツボに入ります。
結構哲学的なモノローグも出て来るんですが、
こんな感じの主人公が言う所に妙なおかしみがあるのです。

なかなか他で味わえない独特の魅力に溢れたこの一冊。
一部書店でしか販売していないので、なかなか書店で見る機会も少ないとは思いますが、
Amazoneでならまだ買えるみたいなので、気になった方は是非買われる事をオススメします。

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2014-03-23 23:40 : 漫画 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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プロフィール

Author:ノノック
文章の苦手な文系。
ゆとり直前世代のゆるゲーマー。
ほのぼの漫画が好き。
2016年2月ブログ名変更。

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