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『オールラウンダー廻』を読み始めました。(6巻まで)

オールラウンダー廻(1) (イブニングKC)オールラウンダー廻(1) (イブニングKC)
(2009/04/23)
遠藤 浩輝

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最近、ふと読み始めたこの漫画。
格闘技としてイマイチマイナーな、修斗を題材にした作品です。
青年誌連載であることと、
タイトルでなんとなく蹴撃手(キックボクサー)マモル』を連想してしまうこともあって、
軍鶏』みたいなバイオレンスな格闘漫画かと思っていましたが、
予想に反して、なかなか読み心地良い、リアル系青春スポーツ漫画ではないですか。

以下に6巻までのネタバレを含みます。


この漫画の特徴としては、第一にとにかくリアル指向な事があげられます。
設定的にも演出的にも現実的な作りになっているこの漫画では、
あまり強烈なキャラ付けや展開はなく、ジャンプではまず人気が出ない(というか連載会議に通らない?)と思います。
主人公のメグルも、少し変わった家庭環境にあるものの、
そこまで強烈な個性のある性格という訳では無いですし、
彼が修斗を始めるきっかけも「空手やってたからなんとなく」という、これもあまり読者を引きつける理由ではありません。
また身体能力も勝負強さも特別ある訳では無く、いきなり初戦・二戦ともにKO負けを喫します。
トドメに得意技も特にないという、驚きの地味さを。
一応、「相手にやられた技を見よう見まねでコピーする」という格闘センスはあるものの、
これにしたって、別にいきなり完成度の高い状態で再現できる訳ではありませんし、
「こないだやられたアレをやってみよう」という思いつきみたいなもので、そこまで大した才能という雰囲気はありません。

…しかし、この「ごく普通」な主人公が、
敗北の悔しさや、周りに触発されて奮起し、
努力を積み重ねていく姿が、見ていてとても気持ちが良いのです。

早朝ランニングの途中、公園の遊具でトレーニングを始めてしまうメグル。なんか楽しそうです。

また、メグルの通うジムの人たちも、基本的に良い人なんで、
練習自体はハードですが、練習している描写も雰囲気が良いのです。

練習風景。このナベさんとの柔術練習が後々まで生きてきます。
女性陣もいるのですが、別に賑やかしとかマネージャー的立場ではなく、
彼女らも普通にメグルを圧倒する力関係なのが面白い所。

主に立ち技担当の女性陣2人。指導者のまりあさんと女子キック選手のマキちゃん(ヒロイン)。
マキちゃんはすぐメグルにキツい事を言いますし、場合によっては手も出しますが、なんだかんだで仲良し。

修斗という競技で出来る事が多いからこそでしょうか。
立ち技の攻防・組んでの攻防・寝技の攻防などなど、
覚える事が多い分、多くの人に教えを受け、多くを学び、絆を深くしていきます。
個人的に好きなシーンが、

プロで初の一本勝ちを収めたナベさんが、メグルに感謝の電話を掛けてくる場面。
引退も考えていたナベさんですが、メグルとの柔術練習で得た経験で勝利し、もうちょっと修斗を続ける決意を語ります。
メグルはまだ、ほとんど教えてもらう立場ですが、
それでもジム仲間に良い影響を与えているんだと思える良いシーンだと思います。
異性に特別モテる訳ではなく、将来の道もまだ決まっていない、
順風満帆とはいかないメグルの日々ですが、傍目にはとても充実しているように見えます。

充実したメグルの日常。
「せっかくまる1日練習に使えるんだから」なんていう言葉が出てくるあたり、既にどっぷり修斗漬けですね。


そして迎えた関東大会。
頼りない戦歴から補欠出場となったメグルですが、
度重なるピンチにも諦めず、本人自身が驚くほどの粘り強さで持ちこたえます。

2回戦で更にスタミナを削られフラフラのメグルですが、諦めません。
「『判定でも最後は攻撃で終われ』って古屋さんに言われてたじゃないか!」
「84kgのナベさんに比べりゃ…軽いっ!!と思い込むっ

と、日頃の練習で得た教訓や体験を活かし、
もう駄目だというピンチを何度も乗り越え、凌ぎ、耐え、
相手選手の予想を裏切る一手を放ち、勝機を呼び込みます。

マキちゃん直伝の、首相撲からのヒザ蹴り。
相手が四つに組みに来た所をこれで迎撃します。

飛び抜けた長所を持たないメグルだからこそなのか、
ピンチの際に頼るのは「己の得意技」ではなく、「教わったけどまだ実戦で試していない事」なのです。
それが流れを変えて、意外な結果に繋がる、
そういう一言では言えない、型にはまらない奇妙な強みのある選手。
なるほどこれは確かに「オールラウンダー廻」という物語だと思います
主人公のバックボーンの薄さや、「見よう見まねのコピー」という長所、
そしてここまで重ねてきた地味な練習の一つ一つが、「短所も含めて」メグルの重要な武器になっているのです。
そしてこれだけ勝ちパターンの決まっていない選手を主人公に据えて漫画になるあたりが、
修斗という格闘技の奥深さであって、魅力なのかなとも思います。
ゲームなどでは尖った強みの無い分、「器用貧乏」と揶揄されることも多い「オールラウンダー」という称号ですが、
この漫画のメグルの活躍は、ある種理想的なオールラウンダーの姿ではないでしょうか。



さて最後に本格的なネタバレ。

大健闘はしたのものの、
結果としては、メグルは準決勝で惜しくも判定負けとなってしまいます。
一回戦、二回戦と長期戦の末に逆転勝利で駒を進めたメグルは、
既に準決勝開始前からスタミナが切れかけているような状態でした。
対して相手は、ここまで余裕ある戦いをしてきた優勝候補の一角で、
今までの戦歴を考えれば、判定まで試合をもつれさせただけでも上出来、と言える結果なのですが、
それでも試合後、メグルの胸にあるのは悔しさなのです。

試合後、涙を流すメグル。
初試合の後は、負けてもヘラヘラしていたメグルの、修斗に対する意識はここまで変わりました。
あまり過剰に表現しない漫画だからこそ、
ここで静かに涙するメグルの姿には、読んでいる側にもこみ上げるものがあります。
もちろん、敗北を悔しがる姿への共感の気持ちもそうですが、
それだけではなく、「ごく普通」の高校生だったメグルが、
これだけ真剣に向き合う事を見つけた事への、なんとなく喜ばしい気持ちもちょっと湧いてくるのです。
メグルがこの先修斗でプロになるのか、また別の道を進むのかは分かりませんが、
この経験はきっとメグルの人生を良い方向に導くのだろうなあと、そんな事を思える、
熱い格闘漫画であり、爽やかな青春漫画である、そんな空気の良い漫画です。
7巻以降の展開も楽しみ。

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2015-03-08 23:39 : 漫画 : コメント : 3 : トラックバック : 0 :
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非公開コメント

初コメントです。

かなり昔から、このブログは読ませてもらってます!
もともと、電撃4コマが大好きで、このブログもその関連で知りました。
ちい姉とか家族の感想で、共感できる人だなと思った記憶があります( ̄▽ ̄;)

これからも更新頑張ってください。


追記、ディスD2記事でもお世話になりました(^^)
2015-03-21 17:19 : 東雲 URL : 編集
Re: タイトルなし
>>東雲さん
ありがとうございます。
電撃4コマ感想もやる気になったらそのうち…ひょっとしたら…再開するかもしれません。
電撃4コマ感想以外の更新をする気もまだありますので、
これからもたまに見てくれると嬉しいです。
2015-03-23 22:12 : ノノック URL : 編集
自分も、最近の電撃4コマはあまり好きではなく、買うのを忘れたりしてしまっていて……。

他の記事も読んでいて楽しいので、待ってます!

何度もコメント失礼しました。
2015-03-24 03:06 : 東雲 URL : 編集
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Author:ノノック
文章の苦手な文系。
ゆとり直前世代のゆるゲーマー。
ほのぼの漫画が好き。
2016年2月ブログ名変更。

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