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「闘りてェ…!!」餓狼伝Braekblow Fist or Twist レビュー

 誰か初めに言い出したかは知りませんが、「キャラゲー=クソゲー」という考えが、ゲーマーたちの間には少なからず、むしろ当然と言った形であります。
 否定はしません。キャラゲーの大抵は、微妙な出来のものが多いです。システムがありきたりな物であったりとか、操作性が悪かったりとか、そういったまさに微妙なキャラゲーは多く存在します。(酷い物だと、そこに「原作からかけ離れたキャラの言動」が加わります。「原作があるのに、原作ファンが楽しめない」という最悪のケースです。)
いちいち名前は挙げませんが、私もいくつかはそういったゲームをプレイしてきました。
 キャラゲーというのは、高い確率で地雷でしょう。若いうちはそうだと知らずに手を出し、分別も付き世の中も分かってくればそうと知りながら、愛故にあえて手を出す、そんな悲しいファンたちの愛憎詰まった悲しいゲームだと思われがちです。

 しかし、そんなキャラゲーの世界でも、わずかですか、しかし確実に、
面白いキャラゲーというのは、存在するッ!!!

餓狼伝 Breakblow Fist or Twist餓狼伝 Breakblow Fist or Twist
(2007/03/15)
PlayStation2

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 という訳で餓狼伝FOTです。
餓狼伝ゲーム化2作目にして、前作にあった不満点を解消し、キャラ・システム共に大きな追加要素を入れてリリースしたこの作品。ただのキャラゲーと切り捨てるにはあまりに惜しい。
正直、キャラゲーを抜きにしても、PS2の格闘ゲームで1,2を争う熱いゲームでしょう。

 原作を簡単に説明すると、「餓狼伝」は元々、夢枕獏先生の書く、主に空手とプロレスに主軸に置いた、異種格闘技小説です。最初期(1985年)のあとがきでは、夢枕先生、「5巻ほどで完結させる予定で…」などとおっしゃっておりましたが、未だ完結しておりません。
 後に「グラップラー刃牙」でお馴染みの板垣恵介先生の手によって漫画化し、こちらも現在も連載中です。

 どちらも大まかなストーリーは、流浪の格闘家・丹波文七が、真剣な異種格闘技戦を行おうとし、それに同調した様々な人たちによって、今まで有り得なかった真剣勝負の戦いが起こり始める…という物語でした。
 (以後ここでは、夢枕先生の小説版を「原作」板垣先生の漫画版を「漫画版」と表現します。)

 
 さてこのゲーム版「餓狼伝FOT」。
最大の特徴はと聞かれれば、「殴られながら殴れる事」でしょう。
物凄く乱暴な説明をしてしまえば、キャラが基本的にスーパーアーマー(攻撃を喰らってもよろめかない)のです。
 「それじゃお互いの体力ゲージが凄い勢いで無くなっていくんじゃね?」と思われるかもしれませんが、このゲーム、体力が無くなっても決着ではありません。(体力は無くなれば無くなるほどよろけやすくなるため、重要ではあるのですが、直接勝敗条件には関係しません。)
 以前偉い人がこう言いました。「心が折れない限り負けでは無い」と。つまりこのゲームの勝敗を決めるのは、精神ゲージです。
お互い共通する一本のゲージで、攻撃を喰らえば自分側に、当てれば相手側にゲージが寄るシーソーになっており、どちらかの端までゲージが振り切れれば、心が折れたとなって決着です。
 (ワールドヒーローズ2のデスマッチマードとか、ロマンシング・サガ3のトレードとかのゲージを連想してくれれば大体合っていると思います。)

 この既存の格闘ゲームからかけ離れた独特のシステム。上手く回れば素晴らしいですが、所詮キャラゲー、どうせどこかで破たんするだろうと思うかもしれません(未プレイですが、前作は破たんとはいかなくても、割と壊れ気味だったと聞きます)。実際に私も初プレイ時には、「これひょっとして、一番威力の高い技を連発してれば良いんじゃね?」とか思いました。
 しかしこのゲームは、この独自のシステムに、更に独自のシステムを合わせる事によって、しっかり遊べて独自の戦略性や読み合い等の楽しみのある格闘ゲームとしてしまったのです。

 例えば、技にはそれぞれダメージとは別に、体力が多く削れたり、動作中によろけにくかったりといった特徴があるため、単純に攻撃発生の早い技が強いとも限りません。
また、体の部位にダメージを受け続けると、ダメージが蓄積されてよろけやすくなり、最後には骨折などでより多くのダメージを負うようになってしまう部位破壊システムもあり、状況によっては特定の部位を狙った攻撃をする必要も出てきたりします。
 防御側も、タイミングが合えば攻撃を一発だけ無効化しつつ高威力の反撃に移行できるオフェンシブガードという選択肢があるため、対策を含めて色々技を使い分ける必要があるのです。
 
 また、相手にある程度精神ゲージを押し込まれ、心の鎖が切れないと出せない奥義も戦略上非常に大きな存在です。
 奥義は基本的に威力が高く、部位破壊能力も高いのですが、各奥義は一発しか出せないので、使いどころが非常に難しいと言えます。
例えば、押されている時に使えば、五分の状況までゲージを押し戻せますが、
逆にこっちが押している状況で奥義を使えば、相手に奥義を使わせる事なく倒す事も可能です。
しかし、更に押し込まれて次の鎖が切れてしまうと、
それまでの奥義は未使用でも使えなくなってしまうため、下手に温存しようとすると、ただの損で終わってしまう事もままあります。
 こういった奥義の使いどころを考えるのも、餓狼伝FOTの楽しみと言えるでしょう。



 餓狼伝独自のシステムに触れましたが、そもそもこのゲーム版餓狼伝。基本操作の時点で他のゲームとちょこちょこ違う部分があります。
 餓狼伝の操作というのは、言ってみれば超リアル系です。
と言っても、レバーで攻撃、ボタンで移動とかのアレでは無いですよ。
 このゲームのリアルな所と言うのは、まずジャンプが無い。という部分です。更にしゃがみも一部キャラの特殊構えとしてしか存在しません。
 更にガードは上段(頭ガード)と中段(腹ガード)の2択です。(下段は自動でガードします。)


 思えば、名作「ストリートファイター2」で一気に花開いた格闘ゲームの世界。あれは登場キャラクターと同様に、ゲームとしてシステム的にもかなりのディフォルメの入った作品でした。(今でこそ普通に受け入れてしまってますが、稼働当時は、水平に頭突きで飛んでくる力士の図は爆笑ものでした。同様に、人の身長の倍は飛んでいるジャンプや、炎でも何でも防御する姿にも、ある程度のツッコミはありました)
 後の3D格闘の大ヒット作「バーチャファイター」の、派手なエフェクトや飛び道具の無い「格闘」は、(当時のポリゴンキャラのグラフィックは別にして)「これこそリアルだ」と受け入れられましたが、それでも実際の格闘技ではほとんど見られない、『しゃがんで相手の蹴りを防御』や、『浮いた相手への空中コンボ』は違和感がありました。
 それらの要素を排除したこのゲーム版餓狼伝は、ある意味で一歩進んだリアル格闘ゲームと言えるでしょう。

 …とまあ持ち上げておいて何ですが。
このゲーム、例え頭蓋骨にヒビが入っても、頚椎が骨折しても、本当に心が折れない限り戦うんですよ。骨折した腕で思いっきりパンチするし(一応、ガードされると、痛がって隙を晒すというリスクはありますが)。
 そういった意味では、思いっきりファンタジィです。まあ、これを言い出すと、格闘ゲームというジャンルが成立しなくなっちゃうんですけどね。

 しかし、考えてみて下さい。
原作が書かれた時は夢物語でしたが、昨今異種格闘技戦というのは現実でも色々な場で行われています。しかしそれも、本当の意味での『何でもアリ』では無く、色々な制約(ルール)の付いたものですし、レフェリーストップやギブアップ等、終わり方も(言ってしまえば)呆気ないものが多いです。
 これは当然の事です。ある程度ルールを定めて、何かあったらすぐに試合を止められる様にしておかないと、最後には殺し合いになってしまいますからね。勝負の世界で人が死ぬような不幸は絶対に無い方が良いと私も思います。
 しかし、まあ一方で、今現実に行われている試合が、皆の理想の格闘技戦なのかと言われれば、それは必ずしもそうでは無いでしょう。少なくとも喰らった蹴りを反則だとか言い出すのは違います。

 餓狼伝で丹波文七が求めている、ルールも審判も無くていい戦いというのは、本当にファンタジィの中のみにあるものなのかもしれません。餓狼伝屈指の名勝負(原作でも漫画版でも)である丹波VS堤のような、お互いの中にあるもの全て絞り出す様な戦いなんて、まず現実にはありません。
 ゲーム版餓狼伝は、そんな『絞り出す様な戦い』が再現できるゲームなのです。
 お互い死力を尽くして、体力も底を尽きて、奥義も全て使って、部位が二箇所程壊れていて、客席で見ている泉先生が「なんと…うらやましい」と呟くようなそんな状況で、フラフラになりながら更に1分くらい殴り合う。そんなゲームです。
 よくこのゲームの評価で、「泥仕合が楽しい」というのを聞きますが、まさにそんなゲームです。
他の格闘ゲームでは味わえない、独自の快感を味わえるゲームと言えます。

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2009-08-21 20:37 : ゲームレビュー : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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ノノック

Author:ノノック
文章の苦手な文系。
ゆとり直前世代のゆるゲーマー。
ほのぼの漫画が好き。
2016年2月ブログ名変更。

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