ジェイソン・ステイサム主演『SAFE』観た。



久々にDVDで面白い映画を観ました。
「世界一かっこいいハゲ」ことジェイソン・ステイサム主演のアクション大作SAFE
以下に本編ネタバレを含みます。


・あらすじ
元特命刑事のルークは、今は八百長格闘試合の選手として日銭を稼いでいた。
ある日負けるはずの試合で相手をノックアウトしてしまったルークは、報復としてマフィアに妻を殺されてしまう
マフィアに精神的に追い詰められる中、更に元同僚の警官たちからは「不正を告発した裏切り者」としてリンチに遭う。
絶望の末に自殺も考えるが、その時偶然マフィアに追われる少女メイを見かけ、彼女を助ける。
メイは数字の瞬間記憶能力を持っており、その能力をチャイニーズマフィアに利用され、
ある重要な暗証番号を覚えさせられていたのだった。
その暗証番号を狙い、チャイニーズマフィア・ロシアンマフィア・NY市警の3勢力がメイを攫おうと動き出す。
果たしてルークはメイを守り切れるのか!?



この映画、開始30分はとにかく主役2人の鬱展開が続きます。
特に、ルークの境遇はとにかく悲惨の一言で、
ロシアンマフィアに八百長破りの報復として妻を殺される所からはじまり(この時点でどん底なのに)、
更に「お前は殺さないが、いつでも監視している。お前に友達が出来たらそいつを殺す。」と宣言されます。
これは口だけの脅しではなく、
難民キャンプ(?)で隣になった男(足が壊疽しかけている)に「なんでもするからあんたの靴をくれ」と頼まれたルークは、
流石に憐れに思い靴を譲ると、翌日、彼は首を切られて殺されている…という、
マフィアによる本気の精神的制裁を受けます。
更には元同僚の汚職警官たちにリンチを受け、財布までスられと、救いが一切ありません。
(しかし映画『スナッチ』では、八百長破りされて頭抱えた仲介役を演じたステイサムが、
こっちでは八百長破りをする役というのはなんか皮肉ですね)

また、メイもその才能を見込まれ、チャイニーズマフィアに拉致され、
病気の母親を盾に、マフィア幹部の養子にさせられ、彼らに協力させられます。
当然周りにいるのはマフィアのチンピラばかりなので、小学生の女の子への配慮なんてほとんどなし。
不始末をしでかした下請けへの「制裁」を行う様を見せつけられたりと、過酷すぎる日々を過ごす事になります。
その上母親は結局病で亡くなり、更にはロシアンマフィアに誘拐され脅迫され…と、こちらも実に酷い。

しかしこのどん底っぷりがあるからこそ、そこから先のドンパチアクションの爽快感がたまらないのです。
妻を殺された絶望からか、マフィアにも警官にも、碌な抵抗をせずされるがままになっていたルークが、
少女を守るためにいざ拳を握ると、これが鬼のような強さ
ロシアンマフィアやチャイニーズマフィアをバッタバッタと殴りとばし、銃を奪い、死体の山を築いていきます。
不意打ちで喉元へフォークを突き立て、ロシアンマフィアの親玉の息子を誘拐し、拷問をチラつかせて脅迫
元同僚警官たちを大金で釣ってチャイニーズマフィアたちの違法カジノに乗りこませ、
金庫を守るチンピラたちとドンパチやり合わせ、粗方片付けさせた後に不意打ちで射殺…等々。
普通なら、「相手が可哀想になる」と言いたくなるレベルの無双ぶりなんですが、
冒頭敵方がルークやメイにしてきた仕打ちを考えると、同情する気もまるで起こらず、
“痛快”バイオレンスアクションとして笑いながら観られます。
実際、敵方たちの外道ぶりもなかなかはっちゃけていて、
チャイニーズマフィアは下請けをリンチした上に殺害したり、
「一般人の混乱に乗じて逃げる」ためだけに無関係の人を射殺したりと割ととんでもないですし、
上でルークが「元同僚警官を不意打ちで射殺」した件も、
元同僚警官側も事が済んだらルークを殺しそうな雰囲気はありました(途中で怪我して「俺は降りる」とボヤいたメンバーは、他の警官に撃ち殺されています)から、ルークがそこまで酷いヤツという雰囲気は受けません。
敵勢力がとことん悪人に描かれているから、そいつらを出し抜くルークがかっこよく思えるのです。
またジェイソン・ステイサムのアクションもそれに見合った安定のキレッぷりなんで、観ていて本当に気持ちが良い作品になっています。

逆に言うと、敵役側のドラマとか人間性の掘り下げはほとんどされず、
各勢力ともほとんど「みんなすごく悪い奴ら」ぐらいの描かれ方しかされていないので、
あまり「印象に残った悪役」が居ないのはちょっと残念かもしれません。
メイの養父となるチャン(チンピラ)も、
後半メイに「この仕事が終わったら、休暇貰ってゆっくり過ごそう」的な事を言う場面があったりするんですが、
前半のロシアンマフィアにメイを誘拐されそうになった場面で、「大事な情報を奪われるくらいなら」とメイを殺そうとしてたりするんで、
まるで説得力無かったですからね。ラスト付近で意外とアッサリ死んじゃいますし…。
敢えて言えば、実質ラスボスポジションの男が、意外な過去もあってそう言えるのかもしれませんが、
ちょっと出番が短すぎて、ポッと出感が否めないのが残念でした。

あと、微妙に引っかかる展開もちょっとあって、
例えば前半ですごく印象に残る「ロシアンマフィアの監視」ですが、
この設定、ルークが行動し始めた以降消えてしまいます
観ていて「ロシアンマフィアに監視されているんだから、メイと行動してるの筒抜けじゃないのかなあ」と思ったんですが、
特にこの設定で事態が動く事はなく、ちょっと肩すかしでした。
「一人殺した時点でマフィアも満足して、以降の監視を止めた」「(リンチのため)警察にルークが連れていかれた時点で、監視を諦めた」「メイを攫う方に注力してたから、ルークに関わっている余裕がなくなった」等、
理由はいくつか推測できますが、特に印象に残った場面なのだから、ちょっとフォローが欲しかったです。
あと、そもそもの設定に水を差すようですが、メイの「数字瞬間記憶能力」も、
マフィアにとって記憶用メモくらいの扱いしかされてないんで、意味あるのかなーという気もしちゃったりして…。
マフィアの親玉が「最近はどんなコンピューターも侵入されてしまう」という事を言ってはいましたが、
紙に書いた番号をメイに覚えさせる→覚えたメイがルークに紙に書いて渡す、というアナログなやり方で流出しちゃっていますし、
セキュリティ面でもまるで信用おけない気がします。
また、ルークが暗号の法則性から、「金庫のダイヤルだ」と推測して、実際開けられちゃうあたりも、ちょっと設定に対してご都合主義なようにも見えてしまいました。

そういう訳で、映画として大作・傑作はちょっと言えませんが、
「ジェイソンステイサムの無双アクション映画」としては非常に良い映画だと思います。
前半30分は筋トレしながら観て、そっから先はビール片手に大音量でどうぞ。

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2016-03-16 21:38 : その他レビュー : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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Author:ノノック
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ゆとり直前世代のゆるゲーマー。
ほのぼの漫画が好き。
2016年2月ブログ名変更。

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